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今回は『Think CIVILITY(シンク シビリティ)』についてレビューと要約の記事となります。
著者
クリスティーン・ポラス
ジョージタウン大学マクドノー・スクール・オブ・ビジネス准教授
活気ある職場を作ることを目的とし、グーグル、ピクサー、国際連合、世界銀行、国際通貨基金、米労働省・財務省・司法省・国家安全保障局などで講演やコンサルティング活動を行う。
その仕事は、CNN、BBC、NBC、MSNBC、CBS、ABC、『タイム』『ウォール・ストリート・ジャーナル』『フィナンシャル・タイムズ』『フォーブス』『フォーチュン』『ニューヨーク・タイムズ』『ワシントン・ポスト』など、世界中の1500を超えるテレビ、ラジオ、紙メディアで取り上げられている。
ノースカロライナ大学チャペルヒル校ケナン=フラグラー・ビジネス・スクールにて博士号取得。博士号を取得する以前は、スポーツ・マネジメントとマーケティングを行う大手企業IMGに勤務。
1. 本書の概要
『Think CIVILITY(シンク シビリティ)』は、著者クリスティーン・ポラスが20年にわたる研究をもとに、「職場における礼節」の重要性を論じた一冊です。無礼な態度が職場に与える悪影響や、礼節を重んじることが仕事や人間関係にどれほどプラスになるかを、科学的なエビデンスを基に解説しています。礼節がもたらすポジティブな効果だけでなく、礼節を高めるための実践的な方法も紹介しており、ビジネスの成功に必要な「礼節」の力を強調しています。
2. 本書の要約
職場で無礼な態度を取ることが、いかに大きな損失をもたらすかについて本書は詳細に論じています。研究によれば、無礼な態度を経験した人々の約半数が意図的に仕事に対する労力や時間を減らし、質の低下にもつながることが分かっています。また、無礼な行為は職場全体の士気を下げ、生産性の低下や社員の離職率増加に直結します。
本書では、礼節の重要性を示すだけでなく、職場で礼節を高めるための実践的な方法も紹介しています。たとえば、礼節を欠いた人への対処法や、チーム全体で礼節を共有するためのコミュニケーションスキルの向上方法などが具体的に述べられています。また、著名なリーダーや企業、スポーツ界の成功者たちがどのように礼節を大切にしているかの事例も多く紹介されており、日常業務での応用がしやすい内容になっています。
さらに、無礼な行動はただ職場環境に悪影響を及ぼすだけでなく、企業そのものの生産性や収益にもマイナスとなると警告されています。無礼さが蔓延することで、チーム内の協力が減少し、クリエイティビティやイノベーションの阻害、ひいては企業の競争力低下につながるという深刻なリスクがあることが強調されています。
一方で、礼節ある職場は社員のモチベーションや幸福感を高め、結果的に会社全体のパフォーマンスも向上させることができるとされています。著者は、礼節を日常的に実践することで、個人の成長や成功に直結するだけでなく、周囲にもポジティブな影響を与えると述べています。
3. 本書のポイント
人・企業が無礼な態度によって被る被害は大きい。
顧客はその企業から離れ、自分も無意識のうちに攻撃的になる。
意識的に部下と会話し、意識的に褒める。
礼節がある人のメリット
・仕事を得やすい(有能よりも「この人と働くと楽しいか?」が大切)
・チームの業績が良い(リーダーの礼節はチームの安心感につながる)
礼節がある人の習慣
・人に感謝する
・人の話をよく聞く
・分からないことを謙虚に人に尋ねる
・人の良さを認める
・成果を独り占めせず分かち合う
・笑顔を絶やさない
誰かの言動の影響は、直接関わった人だけでなく、はるか遠くまで広がる。
礼節ある人は、笑顔を絶やさない。
子どもは、一日400回笑うが、大人は1日20回しか笑わない人が30%
礼節ある人は、人の話をよく聞く
話す:聞く=1:2がベスト
礼節のある人は相手を尊重する
3m以内に近付いたら目を合わせて微笑みかける、1.5mで挨拶する
与える人になる
情報リソース、社会的リソース(立場)、個人的リソース(時間)
成果を共有する
「君のおかげだ」と言ってあげる
ほめ上手になる
褒められた記憶は残りやすい
フォードバック上手になる
肯定的フィードバックは早く細かく。とにかく、6:1で褒める
意味を共有する
仕事に意味を感じる人になる
無礼な人を採用しないための質問
・前職の部下の評価は?
・自分で一番改めるべきと思うところは?
・仕事のストレスがあった時の対処法は?
「誤った人間を雇うくらいなら、50人面接しても一人も雇わない方がいい」
ジョフ・ベゾス
悪いことが起きても、この状況から学べるものはないかと考える。
今日会った人、周囲の人たちを元気づけているだろうか?それとも意気消沈さて例るか?考える
4. 感想とレビュー
『Think CIVILITY(シンク シビリティ)』を読んで最も印象的だったのは、「礼節」が単なる人間関係の円滑化に留まらず、ビジネスの成功に不可欠な要素であるという点です。多くの人が「礼節」を軽視しがちですが、ポラスの研究が示すように、無礼な態度が職場にもたらす損害は驚くべきものであり、これは全てのビジネスパーソンが認識すべき問題です。
特に、ポラスが提示する統計データは説得力があります。無礼さが原因で仕事の質や労力が低下することは、日常的な職場の経験でも実感されることであり、具体的な数値で示されることでその深刻さがより一層理解できます。また、グーグルやマイケル・ジョーダンといった成功者たちが礼節を重んじている事例も興味深く、日常の行動に取り入れやすい具体例が多い点も評価できるポイントです。
一方で、礼節を高めるための方法が非常に実践的であり、明日からでもすぐに取り組める内容が豊富に紹介されています。著者が強調する「即レスが生産性を下げる」という部分など、現代のビジネス社会において実際に陥りがちな問題に対する警鐘もありがたい提案です。職場の無礼さに悩む人や、チームの生産性向上を目指すリーダーにとって非常に役立つ内容だと感じました。
ただし、礼節を持つことの重要性に重きを置いている反面、無礼な人との対峙や組織全体での礼節向上には、相当な努力が必要だという現実にも触れられているため、読み手には一定の覚悟が求められるかもしれません。
5. まとめ
『Think CIVILITY(シンク シビリティ)』は、職場における礼節の力を科学的な観点から徹底的に解説した一冊です。無礼な行為がどれほど仕事に悪影響を及ぼすか、そして礼節がいかにビジネスや人間関係にプラスになるかを理解できる内容であり、ビジネスの成功に不可欠な要素としての「礼節」を強調しています。礼節を高めるための具体的な方法や成功者たちの事例も豊富に紹介されており、実践的なアドバイスが満載です。
本書を読むことで、礼節ある行動が個人だけでなく組織全体にどれほどの恩恵をもたらすかが理解できるでしょう。職場の改善や自己成長を目指す全ての人におすすめしたい一冊です。
最後まで読んでいただきまして、
ありがとうございました。
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