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今回は『よかれと思ってやったのに』についてレビューと要約の記事となります。
1. 著者の紹介
清田隆之氏は、恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表として、これまで1200人以上の女性たちの失恋話や恋愛相談に耳を傾けてきた経験を持つ、恋愛・ジェンダー問題の専門家です。その活動を通して、男女間のコミュニケーションにおける「すれ違い」や「誤解」に気づき、本書でその分析結果を赤裸々に語っています。
2. 本書の概要
『よかれと思ってやったのに』は、男性が「よかれと思ってやったこと」が、実は女性をモヤモヤさせたり、引かせたり、悲しい気持ちにさせているという事例を数多く紹介し、その背景にある心理やジェンダー観を分析した一冊です。男性が無意識のうちにやってしまっている行動や言動を、女性たちのリアルな声とともに浮き彫りにし、より良い人間関係を築くための「心の身だしなみ」を提案しています。
3. 本書の要約
『よかれと思ってやったのに』は、女性たちが男性に対して抱くモヤモヤ、不満、疑問を5つのパートに分け、具体的なエピソードと共に解説しています。
PART1:モヤモヤさせていること
- 小さな面倒を押し付けてくる
- 何かと恋愛的な文脈で受け取る
- 決断を先延ばしにする
- 人の話を聞かない
これらの行動は、女性に「配慮がない」「自己中心的」といった印象を与え、小さな不満が積み重なっていく原因となります。
PART2:軽く引かれていること
- 謝らない
- 女性の身体について無理解
- 仕事とプライベートで別人のようになる
- プライドに囚われる
これらの行動は、女性に「価値観が合わない」「一緒にいるのが難しい」と感じさせ、関係が深まるのを妨げる要因となります。
PART3:迷惑だと思われていること
- イキるくせに行動が伴わない
- 男同士になるとキャラが変わる
- すぐに不機嫌になる
- 何ごとも適当で大雑把
これらの行動は、女性に「幼稚」「信頼できない」と思わせ、関係を壊してしまう危険性があります。
PART4:悲しい気持ちにさせていること
- 付き合いはじめると油断する
- 「ほうれんそう」が遅すぎる
- 上下関係に従順すぎる
- 話し合いができない
これらの行動は、女性に「愛情がない」「向き合ってくれない」と感じさせ、孤独や悲しみを与えてしまいます。
PART5:理解できないと思われていること
- お金のつかい方が意味不明
- 身体のことを考えていない
- 保守的で変化を嫌う
- シングルタスク
これらの行動は、女性に「価値観が違いすぎる」「理解できない」と思わせ、歩み寄ることを難しくしてしまいます。
各PARTには、専門家による「教えて、先生!」というコラムが掲載されており、セクハラ、性教育、ホモソーシャル、DV、ハゲ問題など、テーマに関連する専門的な知識を深めることができます。
本書全体を通して、男性が無意識のうちにやってしまっている行動や言動が、女性にどのような影響を与えているのかを具体的に示し、その背景にある男性心理やジェンダー観を分析しています。
4. ここだけは押さえたい一文
「ここに書いてあること、オレに関係ねぇ〜もん、って男に会ってみたい。その自己認識のなさもとっても「男らしい」ーっ!」
上野千鶴子氏推薦文より
5. 感想とレビュー
『よかれと思ってやったのに』を読み進めるにつれて、まるで自分の行動を指摘されているかのような錯覚に陥りました。清田氏が収集した女性たちのリアルな声は、男性にとって耳の痛い話ばかりですが、目を背けることなく、真摯に向き合うべき内容だと感じました。
特に印象的だったのは、男性が無意識のうちにやってしまっている行動や言動が、女性に与える影響の大きさを具体的に示した点です。「よかれと思ってやったこと」が、実は相手を傷つけたり、関係を悪化させているという事実に、改めて気づかされました。
例えば、PART1で紹介されている「小さな面倒を押し付けてくる」という行動。男性にとっては些細なことでも、女性にとっては「配慮がない」「自己中心的」といった印象を与え、小さな不満が積み重なっていく原因になるという指摘は、多くの男性にとって共感できるのではないでしょうか。
また、PART2で紹介されている「謝らない」という行動。男性はプライドや立場を気にして謝罪を避ける傾向がありますが、女性は「誠意がない」「向き合ってくれない」と感じ、関係が悪化する原因になるという指摘は、男女間のコミュニケーションの難しさを改めて感じさせられました。
各PARTに掲載されている専門家によるコラムも、本書の魅力を高めています。セクハラ、性教育、ホモソーシャル、DV、ハゲ問題など、テーマに関連する専門的な知識を深めることができ、より多角的な視点から問題について考えることができます。
『よかれと思ってやったのに』は、男性だけでなく、女性にとっても、パートナーシップや人間関係について考える上で多くの示唆を与えてくれる一冊です。男女間のコミュニケーションにおける「すれ違い」や「誤解」を解消し、より良い関係を築くためのヒントが満載です。
読んだ後、私は自分自身の行動を振り返り、改善すべき点が数多くあることに気づきました。特に、パートナーとのコミュニケーションにおいては、相手の気持ちを尊重し、丁寧に接することが重要だと改めて感じました。
『よかれと思ってやったのに』は、すべての男性、そしてより良いパートナーシップを築きたいと願うすべての人におすすめです。本書を読むことで、男女間のコミュニケーションにおける「すれ違い」や「誤解」を解消し、より良い関係を築くことができるでしょう。
単なるハウツー本ではなく、男性心理やジェンダー観を深く掘り下げた上で、具体的な改善策を提示している点が素晴らしいと感じました。清田氏の丁寧な解説と、女性たちのリアルな声を通して、男性は自分自身の行動を客観的に見つめ直し、改善すべき点に気づくことができるでしょう。
また、女性にとっても、パートナーとの関係を見直す良い機会になるでしょう。男性心理やジェンダー観を理解することで、パートナーとのコミュニケーションを円滑にし、より良い関係を築くことができるはずです。
『よかれと思ってやったのに』は、すべての人がより良い人間関係を築くためのヒントを与えてくれる、まさに「心の身だしなみ」読本と言えるでしょう
6. まとめ
『よかれと思ってやったのに』は、男性が「よかれと思ってやったこと」が、実は女性を傷つけたり、関係を悪化させているという事例を数多く紹介し、その背景にある心理やジェンダー観を分析した一冊です。男性が無意識のうちにやってしまっている行動や言動を客観的に見つめ直し、より良い人間関係を築くためのヒントを与えてくれます。
本書は、すべての男性、そしてより良いパートナーシップを築きたいと願うすべての人におすすめです。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
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