【3分要約・読書メモ】マーケターのように生きろ 「あなたが必要だ」と言われ続ける人の思考と行動

BOOKS-3分読書メモ-
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ご覧頂き誠にありがとうございます。
今回は『マーケターのように生きろ 「あなたが必要だ」と言われ続ける人の思考と行動』についての記事となります。

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■著者

井上 大輔(イノウエ ダイスケ)
マーケター、ソフトバンク株式会社 コミュニケーション本部 メディア統括部長。
ミュージシャンを志すも挫折。小さな広告会社でプランナーの仕事を始める。当初はまったく仕事のできないお荷物社員だったが、マーケティングの英知から学んだ「仕事とは人の役に立つこと」という思想に目覚めて以降、仕事にかぎらずあらゆる場面で「必要とされる」ようになる。以降ニュージーランド航空、ユニリーバ、アウディジャパンなどでマネージャーを歴任。ヤフー株式会社MS統括本部マーケティング本部長を経て現職。
雑誌・Web媒体への寄稿や講演会・セミナーへの登壇多数。NewsPicksアカデミアプロフェッサー。著書に『デジタルマーケティングの実務ガイド』(宣伝会議)など。

■はじめに

・マーケターのように生きれば「やりたいこと」なんてなくても輝ける
今、際立った「個」がないと生き残れない時代です。
では、「表現できる自分」なんて持っていない人はどうすればいいのでしょうか?

自分を表現するなんて性に合わないという人は?
才能がないと自覚している人は?
1度は挑戦して虚しくも挫折した人は?

「マーケターのように生きる」とは、
「人の期待に応えることを追求する」生き方です。

「相手をよく知り、その期待に応える」という生き方。

■PART1 人の役に立ち、自らの価値を高める「マーケターのように生きる」という思想

・「マーケティング」の定義
マーケティングの本質は「価値をつくって、伝えて、届けて、交換する」こと。

「マーケターのように生きる」私たちがより具体的に目指すべきは、「相手にとっての価値を生み出し、それを伝え、相手に持つ別の価値を交換してもらう」こと。

・マーケティングの4ステップ
1:市場を定義する
2:価値を定義する
3:価値をつくりだす
4:価値を伝える

「1:市場を定義する」とは、価値を提供する相手を誰にするか決めること。

「2:価値を定義する」とは、相手の求めるものを深く探ること。

「3:価値をつくりだす」とは、定義した価値を実際にカタチにすること。

「4:価値を伝える」とは、実現した価値を相手にしっかりと伝えること。

・相手に合わせて「言うべきこと」を考える
自分が何を話したいか、会社として何を伝えるべきかばかりではなく、まずは相手が何を求めているかをじっくり考えるのがマーケター流です。

あらゆるコミュニケーションで、
「What to Say(何を言うか)」
「How to Say(どう言うか)」

を意識する

マーケターとして、すべてのコミュニケーションは「接待=エンターテインメント」である。

相手が何を求めているのか?さらに、どのように伝えたら相手が気持ちよく動いてくれるのか?を考えてコミュニケーションをする。

■PART2 仕事もキャリアも人生も好転する「マーケターのような生き方」4ステップ

●STEP1 市場を定義する

・「市場を定義する」とは、価値を提供する相手を決めること。
価値は提供する相手によって変わる。

「そもそも誰にとっての価値なのか?」を定める。

その「相手」とはそもそも誰なのか?という根本的な問題。

市場を選ぶときは、「市場の大きさ」と「自分にできること」のバランス調整に気を配る

自分が貢献できる範囲内で、なるべく大きな市場を選ぶ。

・市場を選ぶ5つ視点
①市場規模
②成長性
③競合環境
④関連性
⑤既存事業とのシナジー


普段の仕事の中でも「自分なりに市場を定義する」ことを意識する。

・「市場を定義する」を自分のキャリアに応用する
誰もが「自分」という商品のマーケターである。

自分がもらえる報酬は、結局は「どれだけの人の役に立てるか」によって決まる。

年収を高めたいと考える人が、最初にすることは、適切な市場を選ぶこと。

転職も「意識した市場」で求めれれる知識やスキルを強化する1つの手段ですが、多くの場合、今の仕事、今の職場を前提にするほうが圧倒的に有利。

転職はその時点のスキル評価だが、社内の人材開発はポテンシャルや希望が考慮されるため。

「自分という商品」をどこで売るかを、まず考える。

●STEP2 価値を定義する

・価値の4象限
価値を4つに整理する。
横軸を「機能的」か「情緒的」
縦軸を「顕在的」か「潜在的」
で区分けします。

4つの分類には、①実利価値、②保証価値、③評判価値、④共感価値が入ります。

『マーケターのように生きろ 「あなたが必要だ」と言われ続ける人の思考と行動』

①実利価値
「機能的で」「顕在的な」価値です。
水でいえば、「ノドの渇きをいやしてくれる」をはじめとして、「味が硬い・軟らかい(から美味しい)」「利尿効果が強い・弱い」などといった具体的な「役に立つこと」が、この実利価値です。

②保証価値
「機能的で」「潜在的な」価値です。
ミネラルウォーターでいえば、「水の品質がしっかりしていそうなこと」が保証価値になります。

今は顕在化していないが、何かあった時にすっと浮かび上がってくる具体的な役に立つことになります。

③評判価値
「情緒的で」「顕在的な」価値です。
「情緒的」というのは、「役には立たないけれどその人にとって『意味がある』」ということです。

オシャレな女性/男性が、ジムで汗を流した後にヴォルビックを飲んでいたらどうでしょう?とても絵になります。ジムには売っていないヴォルビックをわざわざ持ち込んで飲むのだから、よっぽどこだわりがあるのだろうな、さすがハイセンスな○○さん、など株を上げるでしょう。

これが安売りで買った水をわざわざジムに持ち込んでいるとなると、反対に株を下げてしまうかもしれません。

評判価値を持つブランドは、ある種の「アクセサリー」として威力を発揮します。

④共感価値
「情緒的で」「潜在的な」価値です。
評価価値が「アクセサリー」ならこの共感価値は「おまもり」のようなものです。

共感価値を持ったブランドは、自分にとって「おまもり」のような威力を発揮します。

・人材としての自分の価値にも「4象限」がある
人が職場で発揮する「価値」も「4象限」で分類することができる。

食らいついたら決して顧客を逃さないアグレッシブな営業パーソンであれば、「実利価値」で組織に貢献します。

中間管理職で、「無難に」組織を運営する基礎体力の高いビジネスパーソンは、「保証価値」で組織に貢献します。

「評判価値」「共感価値」は、短期的な数字ではなかなか測りずらいですが、組織にとって得難い貢献です。

人材としての価値は、決して白か黒かのモノクロではない。
多様性の象徴である「虹色」です。
人がもたらす価値は多様です。

・実力主義という「呪い」
「完全実力主義」「成果主義」というのは、ある意味で「呪い」です。

保証価値や共感価値も立派な価値=実力です。
人材の価値=実利価値という「呪い」から脱却できていないのは、企業ではなく皆さん自身かもしれません。

自分自身の価値よりも人い視野で見つめ、相手の価値をしっかり理解することはとても重要です。

●STEP3 価値をつくりだす

・一貫性が偶然を「キャリアアップ」につなげる
毎日カードの選択がある。
そのカードの選択を一貫性を持っていこなうことが重要です。

この一貫性の拠り所を「誰に」「どう貢献するか」に求めるのが「マーケターのように」自分自身の価値を作り出すということです。

・「配られるカード」のバリエーションを増やす
「誰に」「どう貢献するか」が定まらないうちは、シンプルに「貢献」を意識する。

迷ったら少しでも多くの人に貢献できる方を選ぶ。

貢献を意識することで、仕事の機会=配られるカードのバリエーションが増える。

●STEP4 価値を伝える

・出世するには「自分の価値を伝える」ことが不可欠
グローバル企業で出世するためのポイントはPIE(パイ)だと言われています。

・パフォーマンス:仕事の実力
・イメージ:印象
・エクスポージャー:どれだけ目立っているか

注目すべきは、重要度の割合です。

・仕事の実力:1
・印象:3
・どれだけ目立っているか:6

どれだけ目立っているか」がダントツに重要です。

PIEは、マーケティングに置き換えるとこのように表現できます。

・エクスポージャー(どれだけ目立っているか):覚えてもらう
・イメージ(印象):好きになってもらう
・パフォーマンス(仕事の実力):選んでもらう

商品、サービス同様に、そもそも覚えられていなければ検討のテーブルにも上がりません。

仕事の実力があることは、昇進する上では最低限の必須条件です。
しかしそれだけでは、たくさんの競争相手がいる中で出世はできません。

自分の価値を届けるためには「自分をアピールする」ことが必要です。

・自分の「価値」の伝え方
常套手段は「話題になる」ことです。
コミュニティ内で話題になることは、「覚えてもらう」ために絶大な力を発揮します。

・「共通の知人」を増やす
よく話題に上がる人になるには、「共通の知人が多い」ことです。
共通の知人を増やす一番手っ取り早い方法は「積極的に人と会う」ことです。

気軽に人と会うフットワークの軽さは、話題の元となる共通の知人を増やしてくれるだけでなく、「配られるカード」を質量ともに増やしてくれます。

社交の場が得意な人ばかりではありません。著名な人もみんな無理をして自分自身を社交の場に引っ張り出しているのです。

そうして無理をするに余りあるメリットを感じているからです。

「居心地が良い」場所で定住していてはいけません。
自分から「居心地の悪い」場所に出ていくことが手持ちのカードを増やすことに繋がります。

■感想

1冊で2度おいしいビジネス書。
まず、マーケティングに関する本質的な要点をつかむことができる。

マーケティングとは、「市場を定義し、価値を定義し、つくりだし、伝える」活動。

難しい分析、ワークフレームなど出てこず、身近な商品(ミネラルウォーターやく自動車)などで解説されているため内容が理解しやすいです。

同時に、そのマーケティングを「仕事」「キャリア」「人生」にいかす方法を書かれている。

今、「自分らしく生きること=幸せ」という価値観が幅をきかせているが、それを実現できるのはごく一部の人だけ。

自分のためでなく、誰かのために働く。
自分の力で何が貢献できるのか?を考えて行動することで、自分の価値を証明することができる。

際立っただった「個」が自分に無くても、
「人の期待に応えることを追求する」ことで、
家族、職場、コミュニティの中で、「求められる」人になれる。

相手からスタートし、常に相手に寄り添い、相手の役に立つことがゴールとする。それが、「マーケターのように生きる」ということ。

仕事を自己実現の手段として考える世代で育った自分としては、救われるような一冊でした。

最後まで読んでいただきて、ありがとうございました。

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