職場でチームをまとめる立場になったり、後輩や部下の面倒を見たりする中で、こんなふうに頭を抱えてしまうことってありませんか?
「どうしてうちのチームは、もっと一体感を持って動いてくれないんだろう」
「部下のモチベーションを上げるために、何か気の利いた声かけをしなきゃいけないのに、全然うまくいかない」
「みんなと仲良くしようと頑張っているのに、なんだか空回りしてばかりで疲れてしまう」
リーダーとしての役割を任されると、つい「完璧でいなければならない」「みんなを引っ張っていかなければならない」と肩に力が入りすぎてしまいますよね。
そして、思い通りにいかない人間関係に直面するたび、「自分はリーダーに向いていないんじゃないか」と、一人でこっそり落ち込んでしまう夜もあるかもしれません。
でも、安心してください。
あなたが今感じているそのモヤモヤや息苦しさは、決してあなたの能力が低いからではありません。
ただ、私たちが無意識のうちに「こうでなければならない」という重たい理想のリーダー像を自分に課してしまっているだけなのです。
今日は、そんな頑張りすぎてしまう私たちの心をフッと軽くしてくれて、チームの人間関係を驚くほどラクにしてくれる素敵な一冊をご紹介します。
テレビプロデューサーとして第一線で活躍し続ける、佐久間宣行さんの著書『その悩み、佐久間さんに聞いてみよう』です。
この本から得られる気づきをベースにしながら、私たちがもっと肩の力を抜いて、自分らしく心地よいチームを作っていくためのヒントを一緒に見ていきましょう。
『その悩み、佐久間さんに聞いてみよう』とはどんな本か?
今回ベースにするのは、佐久間宣行さんの著書『その悩み、佐久間さんに聞いてみよう』という本です。
著者の佐久間さんは、テレビ東京の元プロデューサーであり、現在はフリーランスとしてバラエティ番組の制作からラジオ、YouTube、イベントのプロデュースまで、マルチに大活躍されているエンタメ界の仕掛け人です。
佐久間さんは、数多くのビジネスパーソンやクリエイター、そして日々仕事に悩む一般の人たちからの相談に、メディアやSNSなどを通じて真摯に向き合い続けてきました。
本書は、そんな現場のリアルな悩みや葛藤に対して、佐久間さんが自身の豊富なプロデュース経験や、数々の修羅場を乗り越えてきた知見をベースに、ユーモアと愛を込めて答えていく人生相談本です。
綺麗な精神論を語るのではなく、「実際の現場や組織で、大人はどう立ち回るべきか」という地に足のついたアドバイスがぎっしりと詰まっています。
人間関係に疲れてしまった人や、チームのマネジメントに悩んでいる人にとって、まるで目の前の霧が晴れるような心強い道標となる一冊なのです。
今回は、その佐久間さんの視点を大いに参考にしながら、チームの人間関係を劇的にラクにするための独自の切り口について、じっくりとお話ししていきたいと思います。
リーダーは、「内気」なくらいがちょうどいい
チームを率いる立場になると、「もっと明るく振る舞わなければ」「みんなの前に立ってグイグイ引っ張っていかなければ」と無理をしてしまうことってありませんか?
自分は本来そこまで目立つタイプではないのに、無理にムードメーカーを演じて消耗してしまう。
そんな経験はありませんか?
でも、実はリーダーというのは、「内気」なくらいがちょうどいいと私は思っています。
常にハイテンションで周囲を圧倒するようなリーダーの下では、部下たちは圧倒されて自分の意見が言えなくなってしまいます。
むしろ、少し内気で、慎重に周囲の様子を観察している人の方が、現場の小さな変化やメンバーのコンディションの揺らぎに敏感に気づくことができます。
大きな声で声を張り上げなくても、静かにどっしりと構えているだけで、チームには不思議な安心感が生まれるものです。
「明るくなくてはいけない」という呪いから、まず自分を解放してあげましょう。
あなたのその控えめで慎重な性格こそが、メンバーにとって一番居心地の良い空気感を作り出す最大の武器になるのです。
「他人のやりがい」なんてわからない
部下や後輩に対して、「もっと仕事にやりがいを持って取り組んでほしい」と願うことってよくありますよね。
「どうすればこの人のモチベーションを上げられるだろう」と、あれこれ考えては悩んでしまうこともあるでしょう。
しかし、ここで一つ、大きな前提を思い切って手放してみませんか?
それは、「他人のやりがいなんて、本当は誰もわからない」ということです。
私たちが「この仕事は絶対にやりがいがあるはずだ」と良かれと思って勧めたことでも、相手にとっては全く響かないということはよくあります。
人によって、何に喜びを感じるのか、どんな瞬間にモチベーションが上がるのかは、驚くほどバラバラだからです。
他人の内面にある「やりがい」をコントロールしようとしたり、無理やり引き出そうとしたりするから、マネジメントは難しくなり、疲れてしまうのです。
「他人のやりがいを自分が背負う必要はない」と気づくだけで、人間関係のプレッシャーは嘘のように軽くなります。
やる気を出させる「魔法の言葉」なんてない
仕事で元気がなさそうな部下を見ると、「何か心に響くような、やる気が出る魔法の言葉をかけてあげたい」と思ってしまいますよね。
上司としての自分の言葉一つで、部下のスイッチをパチッと入れてあげられたらどんなに素晴らしいことか。
そう思って、ネットで調べたり本を読んだりして、気の利いたフレーズを探してみる。
でも、実際に使ってみると、なんだか白々しくなってしまったり、相手にスルーされてしまったりして、ガッカリした経験はありませんか?
断言しますが、人のやる気を一瞬で引き出すような「魔法の言葉」なんてこの世に存在しません。
どれほど美しい言葉を並べ立てても、日頃の信頼関係が土台になければ、それはただの空虚な綺麗ごとに聞こえてしまうものです。
大事なのは、気の利いた言葉を探すことではありません。
「余計なプレッシャーをかけないこと」や「淡々と目の前の仕事をサポートすること」など、言葉以外の態度で誠実さを示すことの方が生きてきます。
魔法の言葉を探すのをやめた瞬間から、上司としての肩の荷がスッと降りていくはずです。
部下と仲良くしたがると仕事はうまくいかない
「チームの雰囲気を良くするために、部下とは友達のように何でも話し合える関係になりたい」
そう思って、一生懸命プライベートな話題を振ったり、頻繁に飲み会に誘ったりしていませんか?
もちろん、アットホームな職場の雰囲気が好きな人もいますが、実は「部下と仲良くしたがる」ことと、「仕事がうまくいくこと」は別問題です。
むしろ、必要以上に距離を縮めようとすると、いざ仕事で厳しいフィードバックをしなければならない時や、重要な判断を下さなければならない時に、お互いがやりにくさを感じてしまいます。
職場は、友達を作る場所ではなく、共通の目的に向かって成果を出すためのプロの集まりです。
馴れ合いの仲良しこよしを目指すよりも、「お互いのプロフェッショナルな領域をリスペクトし合える関係」を築く方が、結果的にチームの空気は健全で風通しの良いものになります。
「好かれよう」とするのをやめて、「信頼されよう」とする。
その少しの意識の切り替えが、余計な人間関係のストレスからあなたをしっかりと守ってくれます。
リーダーの仕事は「部下の武器」を借りること
リーダーというポジションにいると、「自分がチームの先頭に立って、一番すごい成果を出さなければならない」と勘違いしてしまいがちです。
自分が誰よりも知識を持ち、誰よりも優れたアイディアを出さなければリーダー失格なのだと、一人で空回りして疲弊していませんか?
しかし、本当の意味で優れたリーダーの仕事とは、自分で全部をやることではありません。
それは、「部下たちが持っているそれぞれの『武器』を借りること」です。
自分にはない視点を持つ人にはそのアイデアを借り、細かい作業が得意な人にはその緻密さを借りる。
チーム全員の才能や強みをパズルのように組み合わせ、最大の成果という一つの絵を完成させることこそが、リーダーの本来の役割なのです。
「自分が引っ張らなきゃ」という思い込みを捨てて、「みんなの力を貸してほしい」と素直に頼る。
そう思えた時、リーダーの仕事は孤独な戦いから、仲間と一緒に進む楽しいプロジェクトへと生まれ変わります。
部下をうまく褒められないのは、自分の中に基準がないから
部下が良い仕事をした時に、「もっと上手く褒めてあげたいのに、なんだか照れくさくて事務的なことしか言えない」と悩むことってありますよね。
あるいは、無理に褒めようとして、かえって薄っぺらい言葉になってしまい後悔することもあるかもしれません。
部下をうまく褒められないのは、あなたのコミュ力が低いからではありません。
実は、「自分の中にしっかりとした『基準』がないから」であることがほとんどです。
自分が仕事に対してどんな基準を持ち、何を美しいとし、どんなプロセスを価値あるものだと考えているのか。
その軸が自分の中に定まっていないと、何を基準に相手を評価し、どこを称えればいいのかが分からなくなってしまうのです。
誰かを褒めるためのテクニックを学ぶ前に、まずは「自分自身の仕事の基準や美学は何だろうか」と、自分自身と向き合ってみる。
その軸がしっかりと持てるようになると、心の底から納得した言葉で、自然体で部下の頑張りを称えることができるようになります。
若手が管理職になりたがらないのはあなたに魅力がないから
世間ではよく、「最近の若い人たちは出世欲がなくて困る」「管理職になりたがらないから困ったものだ」という声が聞かれます。
会社の将来を心配するあまり、若者たちの意識が変わってしまったのだと嘆きたくなる気持ちも分かります。
しかし、少し厳しい言い方になってしまうかもしれませんが、本当の理由はそこだけではないはずです。
若手社員たちが「あんなふうになりたい」「自分もいつかあの席に座りたい」と思えないのは、身近にいる管理職である私たちの背中が、あまりにも忙しそうで、疲れ果てていて、魅力的に見えていないからではないでしょうか。
毎日パソコンの画面と睨めっこし、愚痴をこぼし、余裕のない表情で仕事をしている上司の姿を見て、「あんなふうになりたい」と思う若者はそうそういません。
逆に言えば、若手が管理職に憧れない最大の理由は、「私たち大人が、仕事を楽しんでいる姿を見せられていないから」なのです。
完璧な上司になろうとしなくていいし、無理に格好つける必要もありません。
ただ、自分が今の仕事の中に面白さを見出し、楽しみながら悪戦苦闘している姿を背中で見せること。
「働くって、案外悪くないものだな」と後輩たちが感じられる背中をそっと見せること。
それこそが、私たちが後輩たちに残せる一番の財産であり、最高のリーダーシップなのだと私は信じています。
肩の力を抜いて、あなたらしいチームを作っていこう
いかがでしたでしょうか。
今回は、佐久間宣行さんの著書『その悩み、佐久間さんに聞いてみよう』のスタンスを参考にしながら、チームの人間関係をラクにするための独自の視点をお話ししてきました。
リーダーは内気なくらいでちょうどいいこと。
他人のやりがいや魔法の言葉なんて探さなくていいこと。
部下と無理に仲良くなろうとせず、お互いの強みを借り合うこと。
そして、自分自身の基準を持ち、仕事を楽しむ背中を見せること。
どれも、完璧なリーダーを演じるのをやめて、もっと肩の力を抜くための優しいヒントばかりです。
チームの人間関係に正解なんてありません。
ぶつかり合ったり、悩んだりしながら、それでもお互いを少しずつ尊重し合っていく。
その不器用で温かいプロセスのすべてが、あなたとチームの歴史になっていきます。
どうか「ちゃんとしなきゃいけない」という重荷を一度下ろして、あなたらしいペースで、あなたにしか作れない温かいチームを育てていってください。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
背伸びしない等身大の経験とアイディアのコラムも書いています。
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