わかり合えなくて当然。金間大介さんに学ぶ、若者と「共に歩む」ためのヒント

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毎日、会社の最前線でチームを引っ張っている皆さん。 今週も本当にお疲れ様です!

会社では部門をまとめ上げ、部下の育成や業績目標に頭を悩ませる日々。 そして家に帰れば、大学受験などを控えた多感な時期の子どもを見守り、親としての責任を果たす。 私たちの世代は、本当に息つく暇もないほど、たくさんの役割を背負って走っていますよね。

そんな毎日の中で、職場にいる20代の若手社員や、家でスマホを見つめている10代の若者たちに対して、ふと見えない壁を感じることはありませんか? 「何を考えているのかわからない」「どう声をかければいいのか迷う」。 そんな戸惑いを抱えるのは、決してあなただけではありません。

今日は、そんな私たちの世代に大きな勇気と具体的なヒントをくれる一冊を取り上げます。 金沢大学の金間大介(かねま だいすけ)教授による著書『無敵化する若者たち』です。

若者たちは決して冷たいわけではなく、傷つかないための「見えない鎧」を着込んで、摩擦のない世界を生き抜こうとしている。

著者の金間さんが、私たち「先輩世代」と、そしてこれからの未来を創る「若者世代」のそれぞれに向けて贈った、熱くて優しいメッセージをご紹介します。

これを読めば、明日から若者たちに向ける眼差しが、もっと温かく、そして建設的なものに変わるはずです。

『無敵化する若者たち』が教えてくれること

改めて、金間大介さんの『無敵化する若者たち』という本について少し触れておきます。 この本は、現代の若者たち(主にZ世代と呼ばれる層)のリアルな生態を、イノベーション教育の専門家である著者が鮮やかに分析した一冊です。

彼らは、上の世代が血の滲むような思いで作り上げてきた「ハラスメントのない、クリーンで優しい社会」の恩恵を受けて育ちました。 だからこそ、彼らは「目立つこと」や「失敗すること」を極端に恐れます。 波風を立てず、平均点を取り続けることこそが、彼らにとっての最適解なのです。

しかし、著者は彼らを否定しません。 むしろ、その背景にある社会構造を解き明かし、「じゃあ、私たちはどう共に生きていくか?」という前向きな問いを投げかけてくれます。

ここからは、本の中で語られている具体的なメッセージを紐解いていきましょう。

先輩世代へのメッセージ①:価値観のギャップを受け入れる

まず、私たち先輩世代に向けられた一つ目のメッセージです。 それは、「世代間に生じる価値観ギャップを理解し、受け入れよう」という、非常にシンプルでありながら、最も難しい課題です。

私たちが20代の頃は、「残業してでも成果を出す」「先輩の背中を見て盗む」といった価値観がまだ根強くありました。 しかし、今の若者世代の価値観は全く異なります。 彼らにとって仕事は生活の一部であり、プライベートの充実や心理的安全性が何よりも優先されます。

この価値観が、私たちが育んできたものに馴染まないからといって、彼らを批判するのはおかしいと金間さんは指摘します。 価値観は人それぞれであり、時代とともに変わるのが当然だからです。

「なんであんなにドライなんだ」と嘆くのではなく、「そういう価値観の世代なんだな」とフラットに受け入れる。 それは簡単なことではありません。 でも、多くの世代の人たちが、職場で共に楽しく前へ進むためには、絶対に欠かせない第一歩なのです。

コミュニケーションのコツは、「わからせよう」と思って話さないことです。 「俺たちの若い頃はこうだった、だからお前もこうしろ」と説き伏せるのではなく、ただただ、自分の本心を伝える。 「私はこのプロジェクトを成功させたいと本気で思っている」「君の成長を心から期待している」。 そんな嘘のない「I(アイ)メッセージ」こそが、価値観の壁を越えて彼らの心に響くのです。

先輩世代へのメッセージ②:心ではなく「行動」に着目する

二つ目のメッセージは、マネジメントの核となる非常に実践的なアドバイスです。 それは、「若者の心ではなく、行動に着目しよう」ということです。

部下や後輩を見ていると、どうしても「あいつはやる気がない」「仕事への熱意が足りない」と、相手の「心」や「考え」が気になってしまいますよね。 「もっと情熱を持てよ!」と肩を揺さぶりたくなる気持ちは、痛いほどよくわかります。

しかし、金間さんはハッキリと言います。 心や考えは、あくまで「本人だけのもの」です。 他人がどうこうできる領域ではありませんし、そこに無理に踏み込もうとすれば、彼らはより強固な鎧を着込んでしまいます。

私たちが意識し、焦点を合わせるべきなのは「行動」のほうなのです。 「やる気(心)」を引き出そうとするのではなく、「できたこと(行動)」に目を向ける。

たとえば、会議で発言しなかったとしても、議事録を正確にまとめてくれたなら、その「行動」を認める。 期限通りに資料を出してきたなら、その「行動」を評価する。 目に見えない「気持ち」を推測してイライラするのをやめるだけで、私たちのマネジメントのストレスは劇的に軽くなります。

先輩世代へのメッセージ③:行動にフィードバックを返す

行動に着目した後は、どうすればいいのでしょうか。 三つ目のメッセージは、「若者の行動に対し、フィードバックを返そう」です。

彼らは失敗を恐れるあまり、自分から積極的に動くのが苦手です。 だからこそ、彼らが起こした小さな行動に対して、私たちがすかさずフィードバックを返すことが重要になります。

共に行動を考え、どうすればもっと良くなるかを一緒に洗練させ、レベルアップを図っていく。 「このデータのまとめ方、すごく見やすかったよ。次はここに他社の比較も入れてみようか」。 そんな具体的なフィードバックの繰り返しが、彼らの「成長実感」につながります。

この順番がとても大切です。 「モチベーションがあるから行動する」のではありません。 「行動を強化することで、その行動に対する自信が生まれ、結果として次の行動に対するモチベーションが上がる」のです。

私たちは、彼らの行動を支援し、上達を具体的に実感させてあげる伴走者です。 その小さな成功体験の積み重ねが、やがてその若者にとっての、揺るぎない「一つの柱」になっていくのです。

若者世代へのメッセージ①:ドアが開いたら、迷わず飛び込め

さて、ここからは視点を変えて、金間さんが「若者世代」に向けて放った熱いメッセージを見ていきましょう。 私たち大人が、彼らにどう声をかけるべきかのヒントにもなります。

一つ目は、「もし次に目の前にチャンスが来たら、迷わず飛び込むこと」です。 それが少しでも自分の興味がありそうな内容なら、あれこれ考えずに「脊髄反射で」飛び込む。 今のうちに、そう心に決めておきなさい、と著者は語りかけます。

ここで、本の中に登場するとても印象的な言葉を紹介させてください。 「たいていのチャンスのドアにはノブがない。自分からは開けられない。誰かが開けてくれたときに、迷わず飛び込んでいけるかどうか」。

ハッとさせられる表現ですよね。 若者たちは、自分には何もない、自分からドアを開ける勇気がないと悩みがちです。 でも、それでいいのです。チャンスのドアは、たいてい先輩や上司、あるいは偶然の出会いといった「他者」が開けてくれるものだからです。

大切なのは、ドアが開いた一瞬の隙に、恐れずに飛び込めるかどうか。 「私にはまだ早いです」と遠慮するのではなく、「やります!」と手を挙げる。 その一瞬の勇気が、その後の人生を大きく変えることを、私たちは彼らに伝えていかなければなりません。

若者世代へのメッセージ②:友達ではなく「仲間」に伝えよ

二つ目のメッセージは、行動を起こすための具体的なステップです。 「次のチャンスを掴むと心に決めたら、そのことを誰かに伝えること」。 そして、もしその誰かが同世代なら、「友達より仲間と呼べる人がいい」と金間さんはアドバイスしています。

この「友達」と「仲間」の違いが、非常に本質的です。 「友達」は、あなたの悩みに寄り添い、愚痴を聞いてくれる優しい存在です。 しかし、同調圧力を気にする今の若者同士では、「こんな挑戦をしてみたい」という熱い想いを語っても、「意識高いね」「無理しないでね」と、無難に流されてしまう可能性があります。

一方で「仲間」とは、同じベクトルを向き、一緒に行動してくれる存在です。 「面白そうじゃん!一緒にやろうぜ!」と背中を押してくれる人。 あるいは、別の場所で自分と同じように何かに熱中して、光を放っている人。

若者たちが無敵の鎧を脱ぎ捨てる瞬間は、やりたいことを見つけた同世代の「光」を浴びた時です。 だからこそ、傷つくことを慰め合う友達関係から一歩踏み出し、互いに刺激し合える「仲間」を見つけることが、彼らの成長には不可欠なのです。

若者世代へのメッセージ③:インプットより「アウトプット」を

最後のメッセージは、成長のプロセスについてです。 「インプットよりもアウトプットを重視すること。アウトプットこそが、貴方だけの学びを与えてくれる」

今の若者は、スマホ一つで世界中のあらゆる情報にアクセスできます。 本を読み、動画を見て、賢くなった気になっているかもしれません。 しかし、インプットはどこまでいっても「安全圏」での活動です。そこには摩擦も失敗もありません。

本当に人が成長するのは、自分の頭で考え、自分の言葉で表現し、行動に移した時です。 何かを学びたければ、まずは発信してみる。 不格好でもいいから、文章を書いてみる。声に出してみる。 自分が感じたことを外の世界に向けてアウトプットすることでしか、本当の学びは得られません。

そして著者は、このアウトプットにおける目標として「型と個性の両立」を挙げています。 基礎となる「型」の上に、自分らしさという「個性」が乗ることを明確に意識しよう、と。

まずは、先輩の真似でもいい。既存のフォーマットでもいい。 型という文字通りのベースをしっかりと身につけること。 その上で、もがきながらアウトプットを続けるうちに、自然と滲み出てくるもの。それこそが、その人だけの「個性」なのです。

おわりに:共に悩み、共にドアを開けよう

いかがでしたでしょうか。 『無敵化する若者たち』から読み解く、世代を超えたメッセージ。

私たち先輩世代は、つい「どうせ言っても通じない」と諦めたり、「心から変えてやろう」と躍起になったりしてしまいます。 でも、正解はもっとシンプルでした。

価値観の違いを笑って受け入れ、彼らの「行動」に目を向け、温かいフィードバックを返し続けること。 そして、彼らの目の前にある「ノブのないドア」を、私たちがそっと開けてあげること。

私たちが心を開き、背中を見せ続ける限り、彼らもいつか必ず、そのドアに飛び込んでくれるはずです。

会社でのマネジメントも、家庭での子育ても、決して一人で抱え込むものではありません。 時には上手くいかなくてため息をつく日もあるでしょう。 でも、私たちが彼らと向き合おうと試行錯誤するその背中自体が、すでに素晴らしい「アウトプット」であり、立派なメッセージになっているはずです。

明日、職場で顔を合わせる若手メンバーの、ちょっとした「行動」を見つけてみませんか? そして、「その資料、すごくわかりやすかったよ!」と、短いフィードバックを届けてみてください。 きっと、彼らの表情に小さな変化が生まれるはずです。

世代の壁を越えて、共に成長を楽しめるような、そんな温かい日々を一緒に作っていきましょう! 皆さんの奮闘を、心から応援しています。

詳しく知りたい方は、 金間大介さんの『無敵化する若者たち』を手に取ってください。


最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。

背伸びしない等身大の経験とアイディアのコラムも書いています。
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